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リッジ氷堆積というところとナイアガラの絶壁、このあたりをすべて管轄しております。そして、我々の作業対象となりますのは、この河川の流域、そして沿岸であります。
ウォーターフロント・リジェネレーション・トラストは、オンタリオ州が1992年に設立しました。これはマルルーニ首相が最初、88年に調査委員会を設立しまして、閣僚の中でデービッド・クロンビーという元トロント市長がおりましたので、彼に調査委員会の委員長を引き受けてくれと依頼しました。そして、この地域の人々がウォーターフロント開発をする際にも、住民が欲する形で、また必要とする形で開発できるように調査してほしいと依頼しました。ウエーブがいろいろ調査をしてきたのと同じように、我々も調査をエコシステムアプローチという観点から行いました。これは、全体的なプランニングをするアプローチでありまして、コミュニティーと経済と、そして環境の3つを3点セットとして考えるということで、大規模なものも小規模なものも考えてきました。コミュニティーと経済と環境をすべて健全な形で保ちたいという形で考えました。こちらの方が従来の形でのプロジェクト開発でありました。そこでは、経済的な要素に重きが置かれ、コミュニティーがそれに若干続き、そして一番小さいのが環境ということでありました。そこで、我々はこれを3つ統合して考えるというあり方であります。経済と環境とコミュニティーを3つバランスよく考えるというのが我々の立場であります。
(S3)エコシステム的なアプローチは、幾つかの基準を設定するのに役立ちました。これが500キロメートルのウォーターフロントの再生のための原則であります。すべての当事者、政府であろうと民間であろうと個々の住民であろうと、あるいは奉仕クラブであろうと、こういった原理原則のもとにやるのだということで合意しました。それによって最も大きなメリットを引き出そうという考え方です。そこで、我々が提案したことは、ウォーターフロントは「クリーンでなければならない」「グリーンでなければならない」「連続性が必要である」「オープンである」「アクセス可能であること」「利用可能であること」「多様であること」「手ごろな形でアクセスできること」「魅力的であること」、こういうことが重要であります。
(S1)2枚スライドを戻りますと、ごらんいただきますように、すなわちその原則に従うならば、上流に住んでいる人たちも、また実際に沿岸に住んでいる人たちも、同じくクリーンな環境を享受しなければいけないということであります。クリーンでグリーンで連続性のあるウォーターフロントというのは、河川自身が汚染していれば実現できないからです。したがって、我々はいろいろな工夫をすることによって、この後背地に住む住民の人たちに対して、ウォーターフロントは彼らの関心対象ともなっているべきであるということを説得していかなければいけなかったわけです。
(S4)それが原則として我々が従ってきたものでありますが、プロジェクトをさらに進めてお話しする前に、首相がその調査委員会の設置を指示することになった原因は何だったのか、問題は何だったのか、そしてまたウォーターフロント・リジェネレーション・

 

 

 

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